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ショートショート+

ショートショート+(しょーとしょーとぷらす)では、電子ショートショート作家くにさきたすくがショートショートを使って何か新しいことをできないかを模索していきます。

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この手の話

この手の話

 我々はあらゆる星々を回り、様々なタイプの星人の形に合わせて、あのこので「靴」を作り売っている。痒いところにが届くと評判の靴屋だ。

 完璧に筈を整えたはずが、何の違いか次の取引先の星までの燃料がもたず、見慣れぬ星に不時着することになってしまった。
 着陸時の衝撃のせいか、船内のあらゆる計器がひどく壊れてしまったので、まずはこの修理に人がほしいのだが、の早い若の部下はとりあえず現地調査に行くといって、拍子で飛び出して行ってしまった。
「勝な事をしやがって、さてどうしたものか」
 部下にとっては修理はおの物だが、私は苦に負えない。
 とりあえず救難信号の続きは踏めたが、他の通信段は全滅のようなので打つがなく、あとは救助が来るまで待つ一だ。
 宇宙船の窓から外を眺めると、近くには科学文明のの入っていない植物だけの景色が広がり、遠くに建造物の立ち並ぶ街が見える。いろんな星を回ってきた経験のおかげで、この星が平和だということがに取るように分かる。
 部下はあの街まで向かったのだろう。を焼く部下だが、瞬発力に関してはわたしの上を行っている。塩にかけて育てたい才能がある。
 空調も調子がおかしくなったらしい。少し湿度が上がってきた。取り出したぬぐいで額の汗をぬぐった。


 しばらくして部下が戻ってきた。
「この星は、わが社の取引先リストに載っておらず、ライバル会社もつかずのようです」
「我が社もまだまだ発展途上ということか、ライバルのに落ちる前に営業をかけておくか」
「しかし、この星には靴を履くという文化が無いようです。を出してもうまくいかないような気がします」
「それは違うぞ、靴を履く文化が無いということは、これは濡れに粟のチャンスだ。を引くことは考えられない」
「そういう意味ではなくて……。あの、短にいえば靴を履けないんです。この星の人々は下半身がキャタピラのようになっていて、我々の技術ではが届かないと思います」

 靴を履けないのであれば、もうビジネスの掛かりは無い。

「しかし、当たり次第にあちこち回ってこんなものを見つけました」
 部下がゆっくりとしたつきで差し出したのは袋。
柄のように言うが、我々は靴屋だ。袋にまでを伸ばしてないぞ」
「いえ、このの込んだ細工を見てください」

 たしかに、かなりの掛かったデザインの袋だ。機能的にも抜きはなく触りもよくの込んだ品だ。

「これは、この星の職人の作りなんです。が器用で、このの物なら1時間もあればできるようです。我々の靴を売るのではなく、この作りを借りて靴を作ってもらえば爆発的に売れるかもしれません」

 なるほどそのがあったか、早速本社に帰って社長に報告したいが、足が無い。

 

WORLD ORDER

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